PTSD(心的外傷後ストレス障害):12級13号(小学3年女児・福岡県)※他部位との併合により、併合8級認定

小学3年女児のPTSD(心的外傷後ストレス障害)により、12級13号の
認定を獲得。
顔面部との醜状障害(9級6号)により、併合8級として認定。

⑴ 事故の概要と障害内容
  小学校に入学後間もない女児が登校中、軽トラックに跳ねられ、
 ひき逃げされた事案。
  後日、運転手は逮捕されたが、顔面に複数の創傷痕が残存し、
 間もなくして、PTSDを発症。  
  抑うつ状態・意欲低下・入眠困難・悪夢による中途覚醒・啼泣・
 夜間せん妄・夜尿・外出への恐怖・癇癪等の症状が、受傷後約3年を
 経過した後もなお、引き続いていました。

⑵ そもそも、PTSDは、自賠責にて認定対象となるのか?
  非器質性精神障害として認定されることにはなっておりますが・・・
  骨折による可動域制限や醜状障害などと違い、「見えない障害」である
 ため、立証も困難で、後遺障害認定の専門家を標榜する弁護士や行政書士
 でも認定に至ったケースは極めて希でしょう。
  また、裁判上においてもPTSDを否定するケースも少なくなく、
 うつ病などと判断されているケースがほとんどです。

⑶ 立証上の問題点と着眼点
  PTSD、即ち、非器質性精神障害の認定基準は、多岐にわたります。
  まずは、受傷機序(いかにして、その怪我が生じたのか)を入口として、
 「実際に、または危うく死ぬまたは重症を負うような出来事を、
 一度または数度、または自分または他人の身体の保全に迫る危険を、
 その人が体験し、目撃し、または直面した」或いは、「その人の反応は
 強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである」ということの恐怖体験の
 あったことを立証する必要があります。
  さらに、小学生と言う特殊な年齢の持つ特性をも立証しなければ
 ならないため、医師・学校関係者・警察・家族を巻き込んでの
 ハイレベルな立証項目が予測されました。

⑷ 立証作業
 ア 第1段階
   検察庁より犯人の供述調書や犯人立会いの実況見分調書などといった
  事件記録を取り寄せ、「死に至る恐怖体験の存在したこと」を立証
  しました。
 イ 第2段階
   PTSDの認定は、厚生労働省の「非器質性精神障害判定基準」に準じ、
  ㋐「精神症状の状態に関する判断項目」として、
   ①抑うつ状態、②不安の状態、③意欲低下の状態、
   ④慢性化した幻覚・妄想性の状態、⑤記憶または知的能力の障害、
   ⑥その他の障害(衝動性の障害、不定愁訴等)
  ㋑「能力に関する判断項目」として、
   ①身辺日常生活、②仕事・生活に積極性・関心を持つこと、
   ③通勤・勤務時間の厳守、④普通に作業を持続すること、
   ⑤他人との意思伝達、⑥対人関係・協調性、
   ⑦身辺の安全保持、危機の回避、⑧困難・失敗への対応
  という多岐にわたる項目を立証しなければなりません。
   そのために、小児内科や精神科の医師の協力は必要不可欠でした。
   認定基準をご存じでない医師に、立証方法の困難性をご理解いただき、
  長期間においてのご協力を取り付けました。
   さらに、被害者は症状固定時には小学3年生となっていたために、
  教育委員会を通じて、各学年の「生徒指導要録」を取り寄せ、各学年の
  担任教諭と面談のうえ、「健常な児童」と異なる異常点を「学校生活の
  状況報告」という書面により立証しました。
 ウ 第3段階
   PTSDの診断基準であるISD-10やDSM-Ⅳといった検査を
  経時的に行って頂き、さらに、急性症状・慢性症状の持続期間、
  箱庭療法による精神状態の変移など、多岐にわたる立証手法を用いました。
   そして、後遺障害診断書の作成においても医師と何度も打ち合わせを
  行い、100点満点(自画自賛)の診断書作成となりました。
   さらに、父親に夜叫の状態をビデオ撮影していただき、異常な状態が
  演技でもなく、常態化していることを多角的に立証いたしました。

⑸ 認定結果
  認定結果通知書に記載されているとおり、当事務所において立証した
 内容は全て採用され、「通常の労務に服することはできるが、非器質性
 精神障害のため、多少の障害を残すもの」として、12級13号として
 認定され、先に認定された醜状障害としての9級6号と併合して、
 8級を獲得したのです。

⑹ この案件の感想
  解決までには、受傷から約3年、受任からしても、2年4ヶ月に及ぶ
 ロングランでした。
  何よりも、認定された直後、被害者のお父様からの興奮したお電話が
 実に印象的で、涙もろい私は、つい、もらい泣きをしてしまいました。
  この結果は、私一人の力では勝ち取れなかったと思います。
  何よりもご家族との信頼関係が構築でき、そして、医療関係者や
 学校関係者の全面協力があっての賜物と理解しております。
  そして、被害女児の時折、見せるくったくのない笑顔に癒され、
 頑張ってきたことに間違いなかったと安堵しております。
  女児の健然たるご成長を心よりお祈りしております。


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