後遺障害認定の種類(後)

後遺障害とは

ここでは「後遺症」「後遺障害」の違いについて、わかりやすくお伝えいたします。
言葉は似ていても、内容は全く違ってきますので、おおまかでも知っておくとよいでしょう。

「後遺症」とは事故直後に現れた急性期症状(一定の期間現れた強い症状)が治った後に、残ってしまった症状のことです。

機能障害や神経障害などを指し、一般的に広く使われている言葉です。

一方、「後遺障害」とは交通事故によって受けた障害が、治療をしても回復する見込みがなく、仕事や日常生活において支障がある状態を言います。6ヶ月以上経過しても症状があり、治療を続けても改善しないことが医学的に認められると「症状固定」とみなされます。

投薬やリハビリで少しはよくなるけど、少し経つとまた痛みが生じるなど、一進一退を繰り返す状態です。

「後遺障害」は次のような条件に該当するもので、自賠責保険の制度上で使われる用語です。
  1. 交通事故によって受けた障害であること
  2. 医学的に回復の見込みがないこと(症状固定)
  3. 交通事故と固定障害の間に相応程度の因果関係があり、医学的に認められること この部分を証明するのが難しいところであり、立証を専門家が行ないます
  4. 労働能力の喪失を伴うもの
  5. 自動車損害賠償法施工令の等級に該当するもの と定義されています。

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頸椎捻挫・腰椎捻挫(むち打ち)の後遺障害

むちうちの後遺障害について

むちうちは、傷病名としては頸椎捻挫、頸部挫傷、外傷性頸部症候群、外傷部頸部捻挫、バレ・リュー症候群などと表現される。
むちうちの後遺障害としては、次のとおり12級と14級が定められている。

■12級13号
「局部に頑固な神経症状を残すもの」
同級に該当するには、「医学的に証明しうる神経系統の機能又は精神の障害を残すもの」である。
検査手法としては、エックス線、CT、MRI、腱反射検査、病的反射検査、筋力検査、知覚検査、徒手筋力検査、筋萎縮検査、ジャクソンテスト、スパーリングテストなどがある。

■14級9号
「局部に神経症状を残すもの」
同級に該当するためには、「医学的に説明可能な神経系統の機能又は精神の障害を残すもの」である。
現在の症状が、相応の事故により身体に生じた異常によって発生していると説明可能であること及び被害者に存在する異常所見と残存している症状との整合性である。

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むちうちの問題点

むちうちの問題点としては、労働能力喪失期間、後遺症逸失利益が問題となることが多い。
実務的には、労働能力喪失期間の目安は12級で5年から10年程度、14級では5年以下に制限する傾向が多い。
しかし、被害者の具体的症状や職業を詳細に主張し、それよりも長期の喪失期間を獲得した裁判例もある。

■12級
成型工の男性(12級・固定時28歳)について労働能力喪失率14パーセント、喪失期間39年と認めた例(平成12年3月15日大阪地裁判決)

■14級
スナック経営女性(14級・固定時56歳)について、労働能力喪失5パーセント、喪失期間を67歳までの11年間と認めた例(平成2年2月27日岡山地裁津山支部判決)

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脊髄損傷の後遺障害

せき髄損傷に関する当法律事務所の対応について

せき髄は、人間の主要な運動神経、知覚神経を司る神経であり、その損傷により重篤な障害(腕や脚の麻痺で介護が必要になる状態)が残りやすいです。

被害者は、せき髄損傷により、他の様々な症状が出ますが、保険会社はこれをもってせき髄損傷の症状と一致しないとして、せき髄損傷であることを争ったり、将来介護費用、後遺症逸失利益、本人の慰謝料、近親者慰謝料などの争いになります。

当法律事務所は、保険会社の主張に対して、医学的知見に基づき他の症状を合理的に説明し、被害者の受ける経済的・精神的損害について、増額するための様々な主張、立証を行います。

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せき髄損傷の後遺障害について

せき髄損傷とは、交通事故により、せき柱管が損傷された場合に、せき髄が損傷されることです。

せき髄とは、脳から延びる細長い神経の束であり、せき柱管(脊椎を保護する骨)の中にあります。せき髄は、上部で脳の最下部である第4脳室に繋がっており、頭側から尾側にむかって31個の髄節(椎髄8個、胸髄12個、腰髄5個、終糸1個)に分けられます。

各髄節の腹側と背側からは、せき髄神経(髄神経痕)がでており、腹側の神経痕(前痕)は運動に関係する神経繊維と、背側の神経痕(後痕)には知覚神経繊維が繋がっています。
せき髄損傷が起きると、損傷されたせき髄神経の髄節に対応した領域以下に麻痺と膀胱直腸障害が発生するといわれています。一般的には、頸節損傷では四肢麻痺(両側上下肢の麻痺)が、胸髄損傷では大幹と両下肢の麻痺が、腰節損傷では両下肢麻痺が生じるとされています。

せき髄損傷の重傷度を決定するのは、損傷された髄節の高位と麻痺の程度です。麻痺には完全麻痺と不完全麻痺があります。損傷された髄節の高位診断は、MRI、CT等の画像検査、徒手筋力テスト、感覚テストなどで検査されます。

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せき髄損傷の後遺障害等級について

せき髄損傷による後遺障害の等級認定は、原則として、身体所見及びMRI、CT等の画像所見によって裏付けることのできる麻痺の範囲と程度によりなされる。
自賠責等級 障害の程度
別表 級・号
第一 1級1号 生命維持に必要な身の回りの処理の動作について常に他人の介護を要するもの
第一 2級1号 生命維持に必要な身の回りの処理の動作について随時介護を要するもの
第二 3級3号 生命維持に必要な身の回りの処理の動作は可能であるが、労務に服することができないもの
第二 5級2号 きわめて軽易な労務のほかに服することができないもの
第二 7級4号 軽易な労務以外には服することができないもの
第二 9級10号 通常の労務に服することができるが、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
第二 12級13号 通常の労務に服することができるが、多少の障害を残すもの
  1. 麻痺の範囲
    ・四肢麻痺:両側の四肢の麻痺
    ・対麻痺:両下肢又は両上肢の麻痺
    ・単麻痺:肢または下肢の一肢のみの麻痺
  2. 麻痺の程度
    高度の麻痺
    障害のある上肢または下肢の運動性・支持性がほとんど失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作(下肢のおいては歩行や立位、上肢においては物を持ち上げて移動させること)ができないもの。

    中等度の麻痺
    障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が相当程度失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作にかなりの制限があるもの。

    軽度の麻痺
    障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が多少失われており、障害のある上肢又は下肢の基本動産を行う際の巧緻性及び速度が相当程度損なわれているもの
  3. 1級1号について
    【1】高度の四肢麻痺が認められるもの
    【2】高度の対麻痺が認められるもの
    【3】中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの

    例 第2腰髄以上で損傷を受けたことにより両下肢の高度の対麻痺、神経性膀胱障害及びせき髄の損傷部位以下の感覚障害が生じたほか、せき柱に変形などが認められるもの

  4. 2級1号について
    【1】中程度の四肢麻痺が認められるもの
    【2】軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
    【3】中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの

    例 第2腰髄以上で損傷を受けたことにより、両下肢に中等度の対麻痺が生じたために、立位の保持に杖又は硬性装具を要するとともに、軽度の神経因性膀胱障害及びせき髄の損傷部位以下の感覚障害が生じたほか、せき柱に変形などが認められるもの

  5. 3級3号
    【1】軽度の四肢麻痺が認められるもの
    【2】中等度の対麻痺が認められるもの
  6. 5級2号
    【1】軽度の対麻痺が認められるもの
    【2】一下肢に高度の単麻痺が認められるもの
  7. 7級4号
    一下肢に中等度の単麻痺が認めら得るもの
    一下肢に軽度の単麻痺が認められるもの
  8. 12級13号
    通常の労務に服することはできるが、せき症状のため、多少の障害を残すもの
    四肢麻痺であれば3級以上、対麻痺であれば5級以上、単麻痺は5級から9級に該当する。

    ※麻痺の範囲についての説明
    「四肢麻痺」とは、両側の四肢(上肢と下肢の全て)の麻痺
    「対麻痺」とは、両下肢又は両上肢の麻痺
    「単麻痺」とは、肢または下肢の一肢のみの麻痺

    ※麻痺の程度についての説明
    「高度の麻痺」とは、障害のある上肢または下肢の運動性・支持性がほとんど失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作(下肢のおいては歩行や立位、上肢においては物を持ち上げて移動させること)ができないもの。

    「中等度の麻痺」とは、障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が相当程度失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作にかなりの制限があるもの。

    「軽度の麻痺」とは、障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が多少失われており、障害のある上肢又は下肢の基本動作を行う際の巧緻性及び速度が相当程度損なわれているもの。

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せき髄損傷の後遺障害の問題点

せき髄損傷の事案では、せき髄損傷の有無や素因減額の問題がとなることが多い。せき髄損傷の有無の事案では、例えば、典型的なせき髄損傷の症状・所見とずれが生じる「せき髄不全損傷(中心性頸髄損傷等)」や「不完全麻痺」と診断名が付けられるケースである。

裁判例で争われる大半は、診断書の傷病名について医学的知見と整合しない診断名や医学的根拠の不足することを原因としたり、症状の多彩さや検査所見が、典型的パターンとずれているためにせき髄損傷の有無について争われるのが多い。
そのような場合は、ズレの生じている原因について、合理的な説明と医学的裏付けを弁護士が調査することで、解消するのが一つの対応策である。

なおせき髄損傷が否定されても、他の後遺障害として説明可能であれば、他の後遺障害として相当な賠償がなされるので、この点について注意をする必要がある。

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頚椎・胸椎・腰椎の圧迫骨折等による後遺障害

せき柱の後遺障害について

せき柱とは、頭側から尾側の尾骨までの骨の連なりの柱です。頭側から頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個の合計24個の椎骨が椎間板を挟んで形成されていて、最後の第5腰椎の尾側には、仙骨と尾骨がついています。
(但し、後遺障害等級表上の「せき柱」の障害には、仙骨及び尾骨は含まれません。これは、せき柱は、頸部及び体幹の支持機能ないし保持機能及びその運動機能に着目したもので、仙骨及び尾骨はこれらの機能を有していないからです。なお、せき柱の運動障害については、腰仙関節の動きを含めて等級を認定する取扱です。)

せき柱の自賠責の後遺障害等級については、せき柱の変形障害と運動障害に着目して、次のとおり等級認定がなされています。

■変形障害
第6級5号:せき柱に著しい変形を残すもの
第8級2号:せき柱に中程度の変形を残すもの(但し、相当等級に該当するもの)
第11級7号:せき柱に変形を残すもの

■運動障害
第6級5号:せき柱に著しい運動障害を残すもの
第8級2号:せき柱に運動障害を残すもの 第8級の2

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障害等級認定の基準

  1. せき柱の後遺障害等級認定の際の注意点
    障害等級の認定は、せき柱の持つ支持機能に着目しているため、頭部の支持機能を持つ頸椎と、体幹の支持機能を持つ胸腰椎は異なる部位として取り扱われ、それぞれの部位ごとに等級を認定されます。
  2. 変形障害
    せき柱の変形障害については、「せき柱に著しい変形を残すもの」(第6級5号)、「せき柱に中程度の変形を残すもの」(第8級相当)、「せき柱に変形を残すもの」(第11級7号)の3段階で認定されます。
    せき柱の変形の6級と8級は、せき柱の後彎の程度とコブ法(注1)による測彎の程度により認定され、これらに達しない変形で一定の要件をみたすものが11級に認定されます。せき柱の後彎の程度と測彎の程度により、6級で2種類、8級と11級でそれぞれ3種類の合計8種類のパターンに分けることが可能です。

    注1:コブ法とは、エックス線写真により、脊柱のカーブの頭側及び尾側においてそれぞれ水平面から最も傾いているせき椎を求め、頭側で最も傾いているせき椎の椎体上縁の延長線と尾側で最も傾いているせき椎の椎体の下縁の延長線が交わる角度(側彎度)を測定する方法である。

■変形障害の区分
せき柱の変形障害の等級と認定要件の関係は、下記の図(高野真人氏編集の「後遺障害等級認定と裁判実務」より引用)から、分かりやすく理解できます。
椎体高減少椎体個数 前方椎体高の減少の程度 測彎の程度
せき椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じているもの 減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ以上であるものをいう。 6級
せき椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少しているもの 減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であるものをいう。 コブ法による測彎度が50°以上となっているもの 6級
せき椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し後彎が生じているもの 減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの51%以上であるものをいう。 8級
コブ法による測彎度が50°以上となっているもの 8級
環椎または軸椎の変形・固定(環椎と軸椎との固定術が行われた場合を含む。)により、次のいずれかに該当するもの。
このうち、1及び2については、軸椎以下のせき注を稼働させずに(当該被災者にとって自然な肢位で)、回旋位または屈曲・親展位の角度を測定する。)
【1】60°以上の回旋位となっているもの
【2】50°以上の屈曲位または60°異様の伸展位となっているもの
【3】則屈位となっており、エックス線写真等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30°以上の斜位とあっていることが確認できるもの
8級
せき椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真、CT画像またはMRI画像により確認できるもの(変形の度合いは問わない) 11級
せき椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかのせき椎に吸収されたものを除く) 11級
3個以上のせき椎について、椎弓切除術(椎弓の一部を切離するせき柱間拡大術も含む。)等の椎弓形成術を受けたもの 11級
  1. せき柱の運動障害などについて
    せき柱の運動障害は、せき椎圧迫骨折、せき椎固定術など器質的変化が存在することを前提とします。せき柱の運動障害の等級と認定要件の関係は、下記の図(高野真人氏編集の「後遺障害等級認定と裁判実務」より引用)から、分かりやすく理解できます。
認定要件 等級
右のいずれかにより頸部および胸腰部が強直したもの 【1】頸椎および胸腰椎のそれぞれにせき椎圧迫骨折等が存しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの 6級
【2】頸椎および胸腰椎のそれぞれにせ椎固定手術が行われたもの
【3】項背腰部軟部組織に明かな器質的変化が認められるもの
右のいずれかにより頸部( 主要運動のいずれか一方)または胸腰部の可動域が参考可動域の2分の1以下に制限されたもの 【1】頸椎および胸腰椎にせき椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの 8級
【2】頸椎または胸腰椎に椎固定手術が行われたもの
【3】項背腰部軟部組織に明かな器質的変化が認められるもの
頭蓋・上位頸椎間に著しい異常可動性が生じたもの
エックス線写真等では、せき椎圧迫骨折等またはせき椎固定術が認められず、また、項背部の器室的変化も認められず、単に、疼痛のために運動障害を残すものは局部の神経症状として等級を認定すること
頸部
主要運動 参考運動
屈曲・伸展 回旋 側屈
参考可動域角度
110°
参考可能域角度
120°
参考可能域角度
100°
屈曲 伸展 左回旋 右回旋 右側屈 左側屈
60° 50° 60° 60° 50° 50°
胸腰部
主要運動 参考運動
屈曲・伸展 回旋 側屈
参考可動域角度
75°
参考可能域角度
80°
参考可能域角度
100°
屈曲 伸展 左回旋 右回旋 右側屈 左側屈
45° 30° 40° 40° 50° 50°
「強直」とは、関節の完全強直またはこれに近い状態の事を指し、「これに近い状態」とは、せき柱においては、主要運動のすべてが参考可動域角度の10%程度以下に制限されるものをいう。

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せき柱の後遺障害の問題点

せき柱の後遺障害については、後遺障害の有無・程度、労働能力の喪失率について争われる事が多いです。
  1. 後遺障害の有無・程度
    裁判においては障害認定基準に基づき等級評価を行っている例が多いです。例えば、運動制限の主張があっても、せき柱などについて器質的変化がなければ、等級認定は否定されます。
    変形や運動障害の原因(器質的変化)の有無が争いとなる例も多いです。

    ■争いの例

    ○圧迫骨折の画像が明白でない場合
    ○圧迫骨折の画像所見があっても、交通事故に起因するものか(従前のもの、あるいは事後後のものなど)明白でない場合
    ○せき柱の可動域制限について医師の検査の信用性が争いとなる場合
    ○せき柱の固定術の妥当性が争われる例
    ○せき柱の後遺障害か神経障害かが争われる例

  2. 労働能力喪失率
    自賠責認定基準によると後遺障害等級6級の労働能力喪失率は67%、同第8級の場合は45%、同第11級の場合は20%ですが、現実にはそのような労働能力の喪失は認められないとして争われるケースが多いです。

    せき椎固定術後の変形障害(11級、喪失率20%)について、せき柱の運動制限がなく労働能力の喪失はほとんどないが、せき柱の変形に伴って残存する痛みや疲れやすさを考慮して、局所の神経障害(12級、喪失率14%)を準用した判例
    せき柱の変形(11級)について、胸部や腰部の鈍痛が認められるが、それだけでは労働能力の喪失が認められないと主張された事案で、せき椎の人体における重要性や痛みの程度の複雑性等から労働能力の喪失率を14%と認定した判例

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下肢(股関節・膝・足首)の後遺障害

下肢及び足指の後遺障害について

下肢及び足指の障害については、障害等級表上、次のとおり等級が定められている。

■下肢の障害
障害の種類 障害の程度 等級
欠損障害 両下肢をひざ関節以上で失ったもの 1級5号
両下肢を足関節以上で失ったもの 2級4号
1下肢をひざ関節以上で失ったもの 4級5号
両足をリスフラン関節以上で失ったもの 4級7号
1下肢を足関節以上で失ったもの 5級5号
1足をリスフラン関節以上で失ったもの 7級8号
機能障害 両下肢の用を全廃したもの 1級4号
1下肢の用を全廃したもの 5級5号
1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 6級7号
1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 8級7号
1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 10級10号
1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 12級7号
変形障害 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 7級10号
1下肢に偽関節を残すもの 8級9号
長管骨に変形を残すもの 12級8号
短縮障害 1下肢を5㎝以上短縮したもの 8級5号
1下肢が5㎝以上長くなったもの 8級相当
1下肢を3㎝以上短縮したもの 10級8号
1下肢が3㎝以上長くなったもの 10級相当
1下肢を1㎝以上短縮したもの 13級8号
1下肢が1㎝以上長くなったもの 13級相当
■足指の障害
障害の種類 障害の程度 等級
欠損障害 両足の足指の全部を失ったもの 5級8号
1足の足指の全部を失ったもの 8級10号
1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの 9級14号
1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの 10級9号
1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの 12級11号
1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの 13級10号
機能障害 両足の足指の全部の用を廃したもの 7級11号
1足の足指の全部の用を廃したもの 9級15号
1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの 11級9号
1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの 12級12号
1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの 13級10号
1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの 14級8号
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後遺障害等級認定の基準

1.下肢の障害

(1)欠損障害

  1. ア.「下肢をひざ関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

    (ア)股関節において寛骨と大腿骨を離断したもの
    (イ)股関節とひざ関節との間において切断したもの
    (ウ)ひざ関節において、大腿骨と脛骨及び腓骨とを離断したもの
  2. イ.下肢を足関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

    (ア)ひざ関節と足関節との間において切断したもの
    (イ)足関節において、脛骨及び腓骨と距骨とを離断したもの
  3. ウ.リスフラン関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

    (ア)足根骨(踵骨、距骨、舟状骨、立方骨及び3個の楔状骨からなる。)において切断したもの
    (イ)リスフラン関節において中足骨と足根骨とを離断したもの

(2)機能障害

  1. ア.「下肢の用を全廃したもの」とは、3大関節(股関節、ひざ関節及び足関節)のすべてが強直したものをいう。
    なお、3大関節が強直したことに加え、足指全部が強直したものもこれに含まれる。
  2. イ.「関節の用を廃したもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

    (ア)関節が強直したもの
    (イ)関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるものなお、「これに近い状態」については、上肢と同様であること。
    (ウ)人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
  3. ウ.「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

    (ア)関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
    (イ)人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、上記イの(ウ)以外のもの
  4. エ.「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているものをいう。

(3)変形障害

  1. ア.「偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当し、常に硬性補装具を必要とするものをいう。
    なお、ゆ合不全の意義は、上肢と同様であること。

    (ア)大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの
    (イ)脛骨及び腓骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの
    (ウ)脛骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの
  2. イ.「偽関節を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

    (ア)大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、上記アの(ア)以外のもの
    (イ)脛骨及び腓骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、上記アの(イ)以外のもの
    (ウ)脛骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、上記アの(ウ)以外のもの
  3. ウ.下肢の「長管骨に変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。これらの変形が同一の長管骨に複数存する場合もこれに含まれる。

    (ア)次のいずれかに該当する場合であって、外部から想見できる程度(15度以上屈曲して不正ゆ合したもの)以上のもの。

    a.大腿骨に変形を残すもの
    b.脛骨に変形を残すもの
    なお、腓骨のみの変形であっても、その程度が著しい場合にはこれに該当する。

    (イ)大腿骨若しくは脛骨の骨端部にゆ合不全を残すもの又は腓骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの

    (ウ)大腿骨又は脛骨の骨端部のほとんどを欠損したもの

    (エ)大腿骨又は脛骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの

    (オ)大腿骨が外旋45度以上又は内旋30度以上回旋変形ゆ合しているものこの場合、外旋45度以上又は内旋30度以上回旋変形ゆ合していることは、次のいずれにも該当することを確認することによって判定すること。

    a.外旋変形ゆ合にあっては股関節の内旋が0度を超えて可動できないこと、内旋変形ゆ合にあっては、股関節の外旋が15度を超えて可動できないこと
    b.エックス線写真等により、明らかに大腿骨の回旋変形ゆ合が認められること

    注:大腿骨に一定以上の回旋変形ゆ合が認められる場合には、両ひざを揃え、膝蓋骨を左右同様に前方に向けた肢位で、正面から両下肢(両大腿骨の全長)を撮影したエックス線写真等により、左右の大腿骨の骨頭及び頸部が異なる形状となっていることが確認できる。
    なお、長管骨の骨折部が良方向に短縮なくゆ着している場合は、たとえ、その部位に肥厚が生じていても長管骨の変形としては取り扱わないこと。

(4)短縮障害

「下肢の短縮」については、上前腸骨棘と下腿内果下端間の長さを健側の下肢と比較することによって等級を認定すること。
測定に当たっては、事前に両端部に印をつけ、巻尺は屈曲しないように注意すること。
2.足指の障害

(1)欠損障害

「足指を失ったものとは、その全部を失ったもの」(障害等級表の備考第4号)とされており、具体的には、中足指節関節から失ったものがこれに該当するものであること。

(2)機能障害

「足指の用を廃したものとは 第1の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失ったもの又は中足指節関節若しくは近位指節間関節(第1の足指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すもの」(障害等級表の備考第5号)とされており、具体的には、次の場合がこれに該当するものであること。
  1. ア.第1の足指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
  2. イ.第1の足指以外の足指を中節骨若しくは基節骨を切断したもの又は遠位指節間関節若しくは近位指節間関節において離断したもの
  3. ウ.中足指節関節又は近位指節間関節(第1の足指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されるもの
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