後遺障害認定の種類(頭部)

後遺障害とは

ここでは「後遺症」「後遺障害」の違いについて、わかりやすくお伝えいたします。
言葉は似ていても、内容は全く違ってきますので、おおまかでも知っておくとよいでしょう。

「後遺症」とは事故直後に現れた急性期症状(一定の期間現れた強い症状)が治った後に、残ってしまった症状のことです。

機能障害や神経障害などを指し、一般的に広く使われている言葉です。

一方、「後遺障害」とは交通事故によって受けた障害が、治療をしても回復する見込みがなく、仕事や日常生活において支障がある状態を言います。6ヶ月以上経過しても症状があり、治療を続けても改善しないことが医学的に認められると「症状固定」とみなされます。

投薬やリハビリで少しはよくなるけど、少し経つとまた痛みが生じるなど、一進一退を繰り返す状態です。

「後遺障害」は次のような条件に該当するもので、自賠責保険の制度上で使われる用語です。
  1. 交通事故によって受けた障害であること
  2. 医学的に回復の見込みがないこと(症状固定)
  3. 交通事故と固定障害の間に相応程度の因果関係があり、医学的に認められること この部分を証明するのが難しいところであり、立証を専門家が行ないます
  4. 労働能力の喪失を伴うもの
  5. 自動車損害賠償法施工令の等級に該当するもの と定義されています。

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眼の後遺障害

眼の後遺障害について

眼の障害については、眼球障害とまぶたの障害がある。
眼球障害には、視力障害、調節機能障害、運動障害・福視、視野障害がある。
まぶたの障害には、欠損障害と運動障害がある。眼の後遺障害等級については、次のように定められている。
種別 障害の程度 等級
視力障害 両目が失明したもの 1級1号
1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの 2級1号
両眼の視力が002以下になったもの 2級2号
1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの 3級1号
両眼の視力が0.06以下になったもの 4級1号
1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの 5級1号
両眼の視力が0.1以下になったもの 6級1号
1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの 8級1号
1眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの 9級1号
両眼の視力が0.6以下になったもの 9級2号
1眼の視力が0.06以下になったもの 9級2号
1眼の視力が0.1以下になったもの 10級1号
1眼の視力が0.6以下になったもの 13級1号
調整機能障害 両眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの 11級1号
1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの 12級1号
運動障害 正面を見た場合に複視の症状を残すもの 10級2号
両眼の眼球に著しい運動障害を残すもの 11級1号
1眼の眼球に著しい運動障害を残すもの 12級1号
正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの 13級2号
視野障害 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの 9級3号
1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの 13級2号
欠損障害 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 9級4号
1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 11級3号
両眼のまぶたの一部の欠損を残し又はまつげはげを残すもの 13級4号
1眼のまぶたの一部の欠損を残し又はまつげはげを残すもの 14級1号
運動障害 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの 11級2号
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眼の後遺障害の検査方法

  1. ゴールドマン視野計検査
    自賠責における視野障害の測定はこの検査方法によるとされている。
  2. フリッカー検査
    視神経疾患や、視路疾患などを対象とする。
  3. ヘススクリーンテスト
    指標を赤緑ガラスで見たときの片目の赤緑、他眼の緑像から両眼の位置のずれを評価する検査方法。
  4. 眼底検査
    眼疾患のうち網膜ならびに脈絡膜疾患の病像を直接観察する方法。
  5. ERG検査
    閃光に対する網膜の反応を計算し、それによって網膜の視細胞の機能を調べる検査。
  6. 蛍光眼底造影
    フルオレセインという蛍光色素により、網膜の血管を浮かび上がらせ、観察・写真撮影する方法である。

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眼の後遺障害の問題点

目の後遺障害については、後遺障害の有無、事故との因果関係が争われる例が多い。
因果関係が争われるパターンとしては、事故後一定期間が経過した後に症状が出た場合や、発生機序(原因)等がある。

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鼻の後遺障害

鼻の後遺障害について

鼻の後遺障害については、自賠責で明記されているのは、9級5号に「鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの」だけである。
障害の程度 等級
鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの 9級5号
■「鼻の欠損」とは、鼻軟骨部の全部または大部分の欠損である。
「機能に著しい障害」とは、鼻呼吸困難あるいは臭覚脱失をいう。

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鼻の欠損を伴わない機能障害について

鼻の欠損を伴わない機能障害については下記のとおり、その障害の程度に応じて相当級の認定がなされる。
障害の程度 等級
完全な臭覚障害 12級相当
鼻呼吸困難 12級相当
嗅覚の減退 14級相当
■嗅覚障害の区別
嗅覚の障害は、T&Tオルファクトメータによる基準主力検査の認知域の平均嗅力損失値が「5.6以上の場合は嗅覚脱失」、「2.6以上5.5以下の場合は嗅覚の減退」である。

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鼻の後遺障害の問題点

臭覚障害については、嗅覚障害が認められるとしても労働能力喪失が認められるか争いがある。

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耳の後遺障害

耳の後遺障害について

聴力障害は純音による聴力レベル及び語音による聴力レベルを基礎として認定される。自賠責の認定では、両耳に異なった聴力障害が残ったとしても、左右別々に等級を定め併合の方法を用いるのではなく、両耳の聴力障害の該当する等級を認定する。
部位 障害の程度 等級
両耳 両耳の聴力をまったく失ったもの 4級3号
両耳の聴力が耳に接しなければ大声をか解することができない程度になったもの 6級3号
1耳の聴力をまったく失い、他耳の聴力が40㎝以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 6級4号
両耳の聴力が40㎝以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの 7級2号
1耳の聴力をまったく失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 7級3号
両耳の聴力が1m以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの 9級7号
1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの 9級8号
両耳の聴力が1m以上の距離では、普通の話声を解することが困難である程度になったもの 10級5号
両耳の聴力が1m以上の距離では、小声を解することができない程度になったもの 11級5号
1耳 1耳の聴力をまったく失ったもの 9級9号
1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの 10級6号
1耳の聴力が40㎝以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの 11級6号
1耳の聴力が1m以上の距離では、小声を解することができない程度になったもの 14級3号
耳会 1耳の耳介の大部分を欠損したもの 12級4号
  1. 耳鳴り
    「耳鳴りに係る検査によって難聴に伴い著しい耳鳴りが常時あると評価できるもの」(12級相当)
    「難聴に伴い常時耳鳴りのあることが合理的に説明できるもの」(14級相当)
  2. 耳漏
    「鼓膜の外傷性穿孔による耳漏について手術的処置を施した場合、聴力障害が後遺障害等級に該当しない程度であっても、常時耳漏があるもの」(12級相当)
    「鼓膜の外傷性穿孔による耳漏について手術的処置を施した場合、聴力障害が後遺障害等級に該当しない程度であっても、耳漏があるもの」(14級相当)
    「外傷による高度の外耳道狭窄で耳漏を伴わないもの」(14級相当)
  3. 平衡機能障害
    内耳の損傷による平衡機能障害については、神経系統の機能障害として評価される。
  4. 耳会(耳かく)の欠損障害
    「大部分を欠損した」とは、2分の1以上を欠損したもの。
    耳会(耳かく)は、左右ごとに評価し、両耳を欠損した場合は1耳ごとに等級を評価し、併合する。
    両耳の大部分を欠損した場合、男性の場合は、「外貌の著しい障害」として後遺障害12級14号、女性の場合は7級12号の評価となる。
    耳会軟骨部が2分の1以上に達しない欠損の場合でも、「外貌の単なる醜状」に該当する場合は、男性は14級10号、女性は12級15号になる余地がある。


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聴力の検査方法

聴力障害の等級は、純音による聴力レベル及び語音による聴力検査の結果を基礎として認定されるが、聴力の検査方法としては次のようなものがある。
  1. 純音聴力検査方法
  2. 語音聴力検査方法
  3. 聴性脳幹反応検査方法
  4. アブミ骨筋反射


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口の後遺障害

口の後遺障害

口の障害には、咀嚼の機能障害、言語の機能障害、歯牙障害の三つに区別される。
口の障害については、咀嚼・言語の機能障害が6段階、歯牙障害については5段階で下記のとおり後遺障害等級が定められている。
障害の程度 等級
咀嚼及び言語の機能を廃したもの 1級2号
咀嚼又は言動の機能を廃したもの 3級2号
咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの 4級2号
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの 6級2号
咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの 9級6号
咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの 10級3号
14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 10級4号
10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 11級4号
7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 12級3号
5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 13級5号
3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 14級2号
嚥下の機能を廃したもの 3級相当
嚥下の機能に著しい障害を残すもの 6級相当
嚥下の機能に障害を残すもの 10級相当
味覚脱失 12級相当
味覚減退 14級相当
■咀嚼の機能障害
「咀嚼機能を廃したもの」とは、流動食以外は摂取できないものをいう。
「咀嚼機能に著しい障害を残すもの」とは、粥職又はこれに準じる程度の飲食物以外は摂取できないものをいう。
「咀嚼機能に障害を残すもの」とは、固形食物の中に咀嚼ができないものがあること、または咀嚼が十分にできないものがあり、そのごとが医学的に確認できる場合(不正咬合、咀嚼関与群の異常、顎関節の障害、開口障害、歯牙障害など咀嚼が医学的にできないまたは不十分である原因を医学的に説明できること)をいう。

■言語の機能障害
「言語の機能を廃したもの」とは、4種の語音のうち、3種以上の発音不能をいう。
「言語の機能に著しい障害を残すもの」とは、4種の語音のうち2種の発音不能のもの又は綴音機能に障害があるため、言語のみを用いては意思を疎通することができないもの。
「言語の機能に障害を残すもの」とは、4種の語音のうち、1種の発音不能をいう。

※4種の語音とは、次のように子音を構音部位により4種に分けたものである。
口唇音(ま行音、ぱ行音、ば行音、わ行音、ふ)
歯舌音(な行音、た行音、だ行音、ら行音、さ行音、しゅ、し、ざ行音、じゅ)
口蓋音(か行音、が行音、や行音、ひ、にゅ、ぎゅ、ん)
咽頭音(は行音)


■歯牙障害
「歯科補綴を加えたもの」とは、現実に喪失(抜歯を含む。)または著しく欠損した歯牙(歯冠部の体積4分の3以上の欠損)に対する補綴、および歯科技工上、残存歯冠部の一部を切除したために歯冠部の大部分を欠損したものと同等な状態になったものを補綴したものをいう。

■嚥下障害
咽頭支配神経の麻痺等による嚥下(咀嚼された飲食物を口腔から咽頭、食道を経て胃に輸送する生理機能)の障害については、咀嚼機能障害にかかる等級に応じて相当等級が自賠責上認定される。

■味覚障害
頭部外傷や顎部周辺組織の損傷、舌の損傷によって生じる味覚障害は味覚脱失については14級相当、味覚減退については14級相当と取り扱う。
「味覚脱失」とは、濾紙ディスク法により、基本4味質がすべて認知できないものをいう。
「味覚減退」とは、濾紙ディスク法により、基本4味質のうち1味質以上を認知できないものをいう。
症状が暫時回復することが多いため、等級認定は症状が固定されてから6ヶ月後に行う。
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